ドル円のアノマリーまとめ ― 月別傾向と、よく知られたパターン ―
為替相場には、「この時期は、なんとなくこう動きやすい」とよく語られる傾向があります。
ドル円も例外ではなく、月ごとや特定のタイミングで、独特の動きを見せることがあるといわれています。
もちろん、これらは将来を予測するためのルールではありません。冗談半分、参考程度に。
そんな距離感で読んでいただければと思います。
1. ドル円の月別アノマリー
ドル円は、日本の年度末(3月)や夏休み(8月)など、日本特有の季節要因の影響を受けやすい通貨ペアとされています。
1月|円高になりやすい
年初は「ご祝儀相場」で始まることもありますが、
中旬以降は新規投資が一巡し、
円が買われやすくなる年が多いとされます。
2月|ドル高になりやすい
米国の債券利払い(還付金)に関連した資金フローにより、ドル買い需要が発生しやすいといわれています。
3月|荒れやすい(月前半は円高、期末後はドル高)
日本企業の年度末決算が集中する月です。
海外資産を円に戻す動き(レパトリ)から円高になりやすい一方、期末通過後はドル買いが戻ることもあり、値動きが不安定になりやすい時期です。
4月|ドル高になりやすい
新年度入りに伴い、生命保険会社などの機関投資家による外債投資が活発化し、円売り・ドル買いが出やすいとされます。
5月|円高になりやすい
「Sell in May」と呼ばれる季節要因が意識され、
株式市場の調整とともに、リスク回避の円買いが出る年があります。
6月|小動きになりやすい
大きなイベントが少なく、方向感が出にくいとされる月です。
7月|ドル安になりやすい
夏休みを前に、ポジションを軽くする動きが出やすく、ドル売りにつながる年があります。
8月|円高になりやすい
いわゆる「夏枯れ相場」。
市場参加者が減ることで流動性が低下し、円買いが入りやすいとされます。
9月|不安定
日本企業の中間決算期で、
3月と同様にレパトリが意識されます。金融政策イベントも重なりやすい月です。
10月|ドル高になりやすい
米国の新年度入りを背景に、
投資資金が再び動き出し、ドルが買われやすいとされます。
11月|ドル高になりやすい
年末を意識したポジション構築が始まり、
トレンドが形成されやすい時期です。
12月|円高(中旬以降)
クリスマス休暇に向けて市場参加者が減り、
ポジション整理によるドル売り・円買いが出やすいといわれています。
2. 月別以外で有名なアノマリー
ゴトー日(5日・10日)
日本の輸入企業の決済が集中しやすく、
午前の仲値にかけて、ドル高・円安が進みやすいとされます。
窓開け・窓埋め(主に月曜日)
週末のニュースを受け、月曜の寄り付きが大きく乖離することがあります。その後、数日以内に価格差が埋まるケースが多いと語られます。
投信設定アノマリー
新規投資信託の設定時には、外貨建て資産を組み入れるため、円売り・ドル買いが出やすいことがあります。
金曜日のポジション調整
週末のリスクを避けるため、
金曜後半にかけて、その週の流れと逆方向の動きが出ることがあります。
注意点:アノマリーは万能ではない
これらのアノマリーは、
あくまで過去に見られやすかった傾向にすぎません。
金利差、金融政策、地政学リスクなどの影響によって、アノマリーが全く機能しない場面もあります。
また、有名になりすぎたアノマリーは、市場に意識されすぎて、逆に動くケースが出ることもあります。
おわりに
ドル円相場のアノマリーは、売買の答えを教えてくれるものではありません。
ただ、「この時期は、こういう動きが語られやすい」
と知っておくだけで、相場との距離感を保ちやすくなることもありますので、参考程度に知っておくのはいいかもしれません。
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